コラム

オペラの曲名がわからない時におすすめ!無料鼻歌検索アプリを使ってみよう

本記事では、外出先やテレビ番組のちょっとしたBGMで、素敵だと思ってせっかく曲に興味を持ったのに曲名がわからない・・・調べる方法がわからない・・・という方のために役立つアプリ「鼻歌検索アプリ」についてご紹介します。

Photo by Andrea Piacquadio from Pexels

 

 

1.ソプラノが「鼻歌検索アプリ」で精度を検証!

漢字が出てこない、有名人の名前が出てこない、あのお店の名前が思い出せない・・・

 

そんな時、今は多くの皆さんがすぐ目の前のスマホやPCで検索して調べますよね。

 

でも、楽曲の検索の仕方、特にクラシックは結構探すのが難しいと思っている方が多いはず。

 

CMや映画、テレビドラマなどが特定できれば検索しやすいですが、クラシックは「レストランとかで流れていた」とか「色んなところで時々聞くんだけど」ということは多いのではないでしょうか。

でも、鼻歌は、音程がしっかりしていないと他人に聞き取ってもらうのは難しいですよね。自力ですぐ調べられたら、どんなにいいことか。

 

ところが、今は鼻歌で曲を検索してくれる便利なアプリがあるのです。

 

そこで、その中から2つのアプリを選び、どれくらいの精度で検知してくれるのか、ソプラノ歌手の筆者が実際に検証してみました。

 

念のためハミングより安定した声が出やすい「ラララ」か「アー」で歌いました。

 

実際に調べたのは以下13曲。いずれも、巷でよく聴くオペラの有名アリア(独唱曲)や間奏曲、民謡です。

 

🎵ヴェルディ作曲 オペラ「リゴレット」より"女心の歌”🎵

🎵ヴェルディ作曲 オペラ「椿姫」より"乾杯の歌”🎵

🎵モーツァルト作曲 オペラ「魔笛」より“復讐の炎は地獄のようにわが心に燃え”🎵

🎵モーツァルト作曲 オペラ「フィガロの結婚」より"恋の悩みを知る者は”🎵

🎵プッチーニ作曲 オペラ「トゥーランドット」より"誰も寝てはならぬ”🎵

🎵プッチーニ作曲 オペラ「蝶々夫人」より"ある晴れた日に”🎵

🎵ビゼー作曲 オペラ「カルメン」より"闘牛士の歌”🎵

🎵ビゼー作曲 オペラ「カルメン」より"ハバネラ”🎵

🎵マスカーニ作曲 オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲🎵

🎵マスネ作曲 オペラ「タイス」より瞑想曲🎵

🎵シューマン作曲 "献呈”🎵

🎵エドゥアルド・ディ・カプア作曲 ナポリ民謡"オー・ソレ・ミオ”🎵

🎵エルネスト・デ・クルティス作曲 ナポリ民謡"帰れソレントへ”🎵

 

 

2.鼻歌やラララ・・・で曲名を検知してくれるアプリ「Sound Hound(サウンドハウンド)」

SoundHoundは、鼻歌など、流れている音声を認識して該当する音楽の検索結果を表示してくれるサウンドハウンド社の無料アプリです。

アプリを起動すると、SoundHoundのアイコンが真ん中で動きます。

この状態でアイコンをタップし、スマホに向かって調べたい曲のメロディを歌います。

検証に使ったのは、モーツァルト作曲 オペラ「フィガロの結婚」より“恋の悩みを知る者は”です。発声に気を遣い、ラララで歌いました。

次に出たのはこんな画面。

まもなくして、曲を特定できたのか、世界的に著名なオペラ歌手、スーザン・グラハムが歌うアリアがヒットしました。

試しに、今度は音程や発声を考えず、「はははーん」と適当に歌ってみました。

すると今度は検索結果としていくつかの候補がヒット。

それでもTOPに出てきたのは、上記スーザン・グラハム同様世界的に著名なオペラ歌手、チェチーリア・バルトリの歌。

2番目に徳永英明の「恋におちて」が出てきたのも、なんかユニークですよね。というか、本家本元の小林明子より徳永英明が先なの?とか、こんな結果を見るのも面白いです。

「恋の悩みを知る者は(Voi che sapete)」はこんな曲です。

上記と同じ、バルトリが歌っています。

 

サウンドハウンドは結構優秀なアプリかも・・・と思ったのですが、識別できない曲もありました。

オペラのアリアの中ではかなりメジャーな、蝶々夫人の“ある晴れた日に”。

イタリア語でもラララ・・・でも、出てきたのはこの画面。

ぞうさん・・・?

 

なるほど、確かに似ている部分がなきにしもあらず(笑)

「ある晴れた日に」はこんな曲です。

世界を代表するソプラノ、ルネ・フレミングの歌声をどうぞ。

 

 

3.歌声だけじゃなく、ピアノも使えるアプリ「歌っちゃお検索」

「歌っちゃお検索」は、2種類の方法で曲を選定してくれるヤマハのアプリです。ひとつは、SoundHound同様、鼻歌やラララで音を検知し、曲を特定してくれる方法。もうひとつは、画面に出てくるピアノの鍵盤でメロディを弾くことによって曲を選定してくれる方法。鍵盤で弾く音楽によって選定してくれるところは、ヤマハらしい技術ですね。

 

アプリを起動したら、「歌ってさがす」と「弾いてさがす」の2種類のアイコンが出てきます。

では、ビゼー作曲「カルメン」の“ハバネラ”でやってみましょう。

「弾いて探す」をタップすると、鍵盤が下に出てきます。

メロディを弾くと、上に音の文字が出てきて、まもなくして真ん中に曲名の候補が出てきます。

このような状態です。

右の📢マークをタップすると、簡単な電子音でメロディが流れます。

さらにⓘをタップすると、曲名がわかるように表示され、Itunesで楽曲を購入するか、Apple Musicで楽曲を聴くかの選択画面が表示されました。

 

「歌ってさがす」の場合は、歌いはじめるとドレミ・・・で表示されていた場所が、音程のグラフのような表示に変わります。まもなくして、真ん中に曲名の候補が出てくるのは「弾いて探す」と一緒です。

このような状態です。ちゃんと一番上に表示されていますね。

「ハバネラ」はこんな曲です。

世界を代表するメゾ・ソプラノ、エリーナ・ガランチャの歌声でどうぞ。

しかし、必ずしも両方、このようにきちんと曲が選定されるわけではありません。

今度は「帰れソレントへ」で試しました。

「弾いて探す」はヒット。

さて、次は歌ってみました。

ラララも歌詞をつけても歌ってみましたが・・・残念ながら全く違う曲が出てきてしまいました。

 

「帰れソレントへ」はこんな曲です。

往年の名テノール、ルチアーノ・パヴァロッティの歌声でどうぞ。

 

次にこちら、なんの曲がわかりますか?

 

マスカーニ作曲 オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲を弾いたつもりだったのですが、出てきた表示は「きてよパーマン」。

なんとなく気持ちはわかりますが。。。ヤマハさん、今後に期待します(笑)

 

「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲、こんな曲です。

アプリにパーマンだと判断させてしまった部分は、1分20秒くらいからでしょうか・・・

 

4.ダメ元でSiriを試してみる

話しかけて頼みごとをすると、自分の代わりにいろんなことを手伝ってくれるSiri。

アップルの公式サイトによれば「声をかけるだけで聴きたい曲を見つけられる」

「あなたが好きになりそうな新曲を見つけたり、お気に入りのアルバムをかけることができる」とのこと。

これは鼻歌でも曲を見つけてくれるかも!ということで、早速やってみました。

 

検証に使ったのは、オペラの中でも相当巷でよく聞くであろう「魔笛」の夜の女王のアリア“復讐の炎は地獄のようにわが心に燃え”

まず、「Hey Siri  この曲を教えて!」と話しかけ、ラララ・・・で、一番有名なフレーズを歌ってみました。

次に、歌詞をつけて歌ってみましたが、全く同じ反応でした。

Siri、冷たい(涙)やはり音源でキャッチすることは難しいのか。

では、どうすれば選んでくれるのでしょう。

鼻歌でも何でもないのですが、ここで終わるのが悔しくて「モーツァルトのオペラを教えて!」と話しかけたら・・・

なんと魔笛が出てきました!

鼻歌から検知する機能は将来出てくるのでしょうか。

今後のSiriに期待しましょう。

復讐の炎は地獄のようにわが心に燃え」はこんな曲です。

世界を代表するソプラノ、ディアナ・ダムラウの歌声をどうぞ。

 

5.まとめ

結果、鼻歌やラララ・・・なら「Sound Hound」、ピアノで少しでも弾けるなら「歌っちゃお検索」のピアノバージョンを使うと判明しやすいことがわかりました。

検証結果は以下のとおり。

「歌っちゃお検索」の鼻歌検索はまだ精度が低いのか、対応できる曲が少ないのか、難易度が高いです。

 

ちなみにSiriはいくら歌っても態度が冷たいので(笑)無理に試さないほうがよさそうですね。Google検索やGoogleアシスタントでも鼻歌検索機能を始めたようですので、こちらの精度向上も期待します。

 

今回は、曲名がわからない・・・とお悩みの方に向けての情報としてまとめましたが、もしかすると声や歌い方によって認識有無の差も出てくるかもしれません。

 

結構これだけでも楽しめるので、クラシック以外の曲、よく知っている曲でも、自分の歌がきちんと検知されるかどうか、挑戦してみましょう!予想以上に楽しめます!

 

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